Syrris
フローケミストリーシステム ”Asia”
自在に拡張できるシステム構成
フローケミストリー分野で最も長い歴史を持つSyrris製品「Asia」を、AGIがご提供いたします。
高性能かつ多様なモジュールを組み合わせることにより、ニーズに応じたフレキシブルなシステム構築や実験の完全自動化を可能にします。
”Asia”とは
「Asia」はSyrrisブランドにおける高性能フローケミストリーシステムです。
多種多様な化学反応実験に適用可能であり、使いやすく、拡張性があります。
幅広い反応温度、圧力および反応時間(mg ~ kg)を設定でき、高い耐薬品性を有しているため、広範な実験が行えます。マニュアル制御はもちろん専用ソフトウェアによる完全自動実験も可能です。
また、Asiaは機能別のモジュール式になっており、互いに入れ替えられるように設計してあるため、用途に応じてモジュールを選択しシステムを構築できます。さらに、多様な高機能モジュールが用意されていることにより、フロー反応の初心者の方から最高の機能性を求めるエキスパートまでニーズに合わせた構成が可能です。
特徴
ラボスケールのフローケミストリーシステムは、温度、滞留時間、モル比および圧力等の反応パラメーターに対する優れた制御を可能にします。この高度な制御の組み合わせにより、連続フローケミストリーに9つの利点をもたらします。
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速い反応
バッチ用のリアクターを加圧するより、フローシステム用のリアクターを加圧する方が容易です。より高い圧力はより高い沸点を可能にし、アレニウスの式によれば、高い反応温度がより速い反応速度をもたらします。
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安全な反応
フロー反応は一度に起こる反応の量が最小化されるのでバッチに比べ安全です。少量の試薬が極めて小さなリアクターを通過しながら混合されるにつれて反応が起こります。バッチ反応においては、リアクターの内容物全体が一度に混合されます。
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速い反応最適化
連続フローシステムは、非常に容易に行えます。反応時間、反応温度、試薬の混合比率、濃度を変えることで、反応最適化がバッチと比べて遥かに早くなります。
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高速連続ライブラリー合成
フローシステムは、自動試薬インジェクターや反応物コレクター等もソフトウェアで連動させる全自動化により、数十から数百の化合物の高速フローライブラリー合成と精製を可能にします。
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独自の反応条件の開発
フローシステムの利用で、化学者は従来のバッチ法では不可能だった新しい化学にアクセスできます。化学者はオンデマンドで反応性中間体や危険な試薬を作成し、それらを単離することなく反応させることができます。
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より選択的な反応
化学における選択性の低下は、温度、反応時間、および試薬滴下/撹拌速度の変動から生じます。フローシステムは、優れた温度制御と最小限の濃度勾配により、遥かに優れたパラメータ制御と選択性を可能にします。
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容易なスケールアップ
ラボスケールのバッチ反応からスケールアップすることは困難なプロセスですが、フローシステムのスケールアップはより容易です。最適化された条件を用い、より長い間シンプルに反応試薬を送液することで多くの反応物が得られ、さらに流速を上げてフローリアクターをスケールアップすれば、もっと多くの反応物が得られます。
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分析機器の統合
バッチ反応では、化学者は反応分析のために複数回反応物をサンプリングしなければならない場合があります。フローシステムでは、化学者は単一のプローブを用いてそれらの反応を連続的に分析することができ(IR、ラマン、UV、NMR)、サンプリング&希釈モジュールは反応の一部を外部のUPLCなど分析装置へ導入することを可能にします。
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より容易な後処理
従来のバッチ反応では後処理を行うための別の装置が必要です。連続フロー反応では、反応は常に流れの中にあります。従って、液液抽出および固相試薬/スカベンジャー/ろ過のインライン処理が可能です。
フローケミストリーシステムの基本
フローケミストリーシステムは、ユーザーが必要とする反応実験に合わせて、シンプルにも高度にも構築できるシステムです。
フローシステムにおいて、ポンプ・リアクター(マイクロリアクターやチューブリアクター等)・圧力コントローラーの3つのモジュールは必須です。これら3つの重要なモジュールを基盤に、実験のリクエストに合わせてモジュールを追加することで、要求に応えるシステムを構築することができます。モジュールは加熱/冷却装置、試薬の手動/自動インジェクターなど多数あり、追加は簡単です。
シリンジポンプ
ポンプはフローシステムの構築で最も重要な機器です。ポンプの精度と性能に信頼性がなければ、フローシステムの多くのメリットが失われます。
マイクロリアクター
フローシステム用のリアクターは、幅広い反応条件を満たすため可能な限り幅広いラインナップが求められます。様々な滞留時間に対応できるように多様な容積から選択できることや、できる限り視認性に優れた材質であること、さらに耐薬品性に優れた製品であることが必要です。
圧力コントローラー
フローシステムは、高い圧力をかけられることが大きな利点です。高圧力により、還流の限界を超えた反応混合物を沸点以上に加熱するスーパーヒーティングを行えます。また、ガスを導入する反応もしくはガスが発生する反応においても制御可能です。
モジュール
シリンジポンプ
フロー反応用に特別に設計されたポンプです。
2つの独立した送液チャンネルが交互に連動することで、スムーズな連続送液を行えます。パワフルなCPUが本体に内蔵されていることにより、ポンプ単体での使用も、ソフトウェアからの自動制御も可能です。
・流速:1 μL/min ~ 10 mL/min
※流速範囲に合わせて4種のシリンジから選択
・最大運転圧力:20 bar
※オーバープレッシャー時に停止するようにPTFE製圧力センサー装備
自動試薬インジェクター
モジュール側面のバイアルにあらかじめ装填した複数の試薬を自動で吸引・導入し、順にリアクターへ流すことが可能です。
試薬を吸い上げるニードルを実験と実験の間に自動で洗浄する機能も備わっていて、実験ごとのコンタミを防げます。
・装填可能バイアル:2 mL × 12個、8 mL × 9個、40 mL × 6個
チップ温度コントローラー
ペルチェ素子を用いた加熱冷却モジュールです。
ガラスマイクロリアクターやミキサーチップの温度管理を行います。
電源だけで使用でき、サーキュレーターや冷却水は必要ありません。
・運転温度範囲:-15℃ ~ +150℃
ヒーター
反応器に合わせてアダプターを交換することで、様々なリアクターを利用することが可能です。
利用するアダプターによって温度範囲が自動的に変化します。
・交換可能なアダプター:マイクロリアクター;+40℃ ~ +250℃
カラムリアクター;+40℃ ~ +150℃
チューブリアクター;+40℃ ~ +125℃
クライオコントローラー
ドライアイスや冷却水を使用せず、電源のみでリアクターを超低温まで冷却することが可能です。
また、窒素ガスの供給口を接続することで、超低温でも霜が付きにくく視認性を保てます。
・最低到達温度:チューブリアクター;-70℃
マイクロリアクター;-100℃
フォトケミストリーリアクター
単体もしくはシステムに組み込んで光反応器として使用できます。
LEDモジュールを最大8個まで搭載可能であり、フロー合成で使用頻度が高い6種類の単色光LEDモジュールを取り揃えています。
モジュールから光が漏れない構造になっており、もし蓋が外れた際は非常停止する安全機能が備わっています。
・LEDモジュール:365、385、405、420、450、525 nm の単色光
・リアクター容量:4 mL、16 mL
・運転温度範囲:-40℃ ~ +80℃
※装着するモジュールによる
圧力制御モジュール
リアクターの圧力を制御し、系内を任意の圧力に設定できます。
圧力により沸点を上昇させ、より高い温度で反応を促進できるため、反応結果が早く得られます。
・最高運転圧力:20 bar
FLLEX(液-液抽出モジュール)
フロー実験中の抽出操作が可能になるモジュールです。
有機相と水相を混合し拡散することで、より効果的に抽出操作を行います。
最終的に有機相と水相に分離します。
・リアクター内部容量:100 µL
Asia マネージャー
AsiaマネージャーはPCソフトウェアです。インストールした制御PCにオートメーターとシリンジポンプをUSBケーブルで接続することで、実験を完全自動化することができます。
各種データは記録され、リアルタイムでグラフ化して確認することが可能です。
ライブラリー合成やプロセス最適化、多段階反応といった複雑な構成のシステムでも、流量やタイミングなどを自動で計算できます。
プログラムを組んだ後はすべて自動的に実験が行われるため、その間他の作業を行ったり、昼夜運転を実施することも可能になります。
カタログには、エントリーモデルから高度なフローケミストリーシステムまで様々なシステム構成例を掲載しています。
ぜひダウンロードの上、ご覧ください。
動画紹介
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Asia Flow Chemistry Systems